バット・インソムニア
食堂のテレビの前のテーブルをよく知る顔が陣取っていた。

爽夏が近づくと相手も気付いて手を振る。

促された席に座り、鞄の中から水筒を取り出していると、背後から女の怒鳴り声が乱暴にぶつかってきた。

振り返ると、何やら一緒にいる男性と揉めているようである。

「アタシはアタシのやり方でやる!!塚原さんはどうぞのんびり茶でもしばいて老け込んでてください」

「うるさいよ。もう少し静かに話せないの?ほら、皆こっち見てるじゃない。うら若き女子大生なんだから」

何で揉めているのかは不明だが、そのやり取りを見ていた友人がこっそりと耳打ちをした。

「あれ、うちの大学にあるチョーケンの人達だよ」

チョーケン?

聞き慣れない言葉に首をかしげる。

「超常現象研究クラブ。略してチョーケン。常識を越えた様々な現象を調査するとか。とにかくあの人達には関わらないで吉。変な噂が絶えないから」

どんな噂なのか野次馬根性が騒いだが、ぐっと堪えて視線を正面に戻した。

テレビはニュース番組を流している。
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