妖(あやかし)狩り・弐~右丸VSそはや丸~
 そはや丸は、乱暴に女官を引き寄せ、顔を近づけた。
 すっかりその気になっている女官は、形ばかりの抵抗をしつつも、若干の期待を込めた目をそはや丸に向ける。

 その瞳が、そはや丸を捉えた途端、女官の顔が強張った。
 一瞬目を見開き、次の瞬間には、くたくたとその場に頽れる。
 そはや丸が、妖気を叩き込んだのだ。

「よっこらしょっと」

 立ち上がり、女官の襟首を掴んで、渡殿を引き摺っていく。
 全く優しさの欠片もない。

「おぅ右丸。お前から烏丸を引き出すぜ」

 言いながら妻戸を開け、女官を右丸の前に放り出す。
 見知った女官が荷物のように放り込まれ、右丸は心底驚いたように、女官に縋り付いた。

「ほ、ほたる様っ! なな、何をしたのです」

「何、ちょいと気を失ってるだけだろ。変に騒がれても困る。意識はないに越したことはないからな」

 どかりと右丸の前に座り、そはや丸はじろりと彼を見た。

「お前から烏丸を引き出すには、吸い出すのが一番簡単なんだがな」

「・・・・・・吸い出す? ど、どこから・・・・・・?」

 全く好意的でないそはや丸の雰囲気から、物騒な方法を想像し、右丸は落ち着き無くきょろきょろと、自分の身体を見下ろす。
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