姫は救うと微笑み、神は殺すと無邪気に言った
断定された人間悪を語る茶神に姫は顔色一つ変えなかった。
「あなたを否定する気はありませんよ。私は悪だろうが善だろうが、やりたいことをするだけです」
ささやかに朗らかに出た音色の終わり、はたっとピエロが顔をあげた。
我が身に起きたことを確かめるように、“舌を伸ばして”ことの次第を確認する。
舌があった。
気づけば、落ちた舌先もない。
いつの間に戻ってきたのか、くっつけたという縫合痕もなく、何事もなかったかのように痛みさえも霧散していた。
「……」
それを見届けた後、茶神が目を細める。
自身の舌先を口腔で踊らせ、火傷したはずの箇所を探した。