姫は救うと微笑み、神は殺すと無邪気に言った


なかった。
ひりつく不快感もなく、感度は良好。


「へえ、こんなに簡単に」


できるんだ、と自身にまで及んだ治癒に茶神は笑う。


「何かしたようには思えなかったのに。いや、こいつに何かあれば何かするとは思ったけど……。すごいな、気づかない内に助けるんだ」


「助ける救うと誰かに恩を着せるつもりはありませんよ。あくまでもお節介です。私が好きなようにしているだけで――私は、善人などではありませんから」


茶神の心を見透かす目が上がる。立ち上がったことで自然と姫は茶神を見下ろし、茶神は姫を見上げた。


「私は何でもしてしまう。“人体”が絡むなら、何でもできてしまう。それの使い方は見る人によって善人にも悪人にもなるでしょうから。

何でもできるからと言って、何でもしていいというわけではありません。なのにしてしまうとあっては、人間から見れば傲慢な、ルールを守れない悪人なのでしょう。私も、あなたも」


< 22 / 25 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop