無口な彼が残業する理由 新装版
私に従ってベッドへ移動した丸山くんは
私を隣に座らせた。
「体調は?」
手を額に当てる。
昨日は冷たく感じたけれど、今日は温かい。
「もう平気だよ」
丸山くんは安心したように微笑んだ。
「よかった」
「丸山くんのおかげだね」
フッと微かに丸山くんの表情が変わった。
「いい匂いがする」
声の張りが、いつもと違う。
「え?」
「シャワー、浴びたの?」
「うん。汗だくだったから」
丸山くんは半乾きの私の髪に手を差し込んだ。
流れるような動作で後頭部に力が込められて、
吸い込まれるように唇が重なる。
もう何度目かのキスだった。
驚く間もなく世界がぐるりと回転して
丸山くんの髪が私の頬にかかる。
前日の青木なんか比べ物にならないくらい
密着してる。