無口な彼が残業する理由 新装版

シャワーを浴びると生まれ変わったようにさっぱりした。

メイクも落とせたし、新しい部屋着に着替えたし、

何かから解放されたような清々しさ。

まだダルさは残っているけれど、

もう大丈夫だ。

私は部屋に戻って、丸山くんのそばに腰を下ろす。

「丸山くん」

体を揺らすとうっすら目が開いた。

「え……あ……」

「ねぇ、ベッドで寝て」

寝ぼけ眼の丸山くん。

「ベッド?」

「そう。ほら、一度起き上がって」

腕を引っ張り体を起こす。

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