無口な彼が残業する理由 新装版
疼く体を持て余し、
痛む心を持て余し。
心で抱えきれなくなった重みのせいで
目にじんわり涙が溜まってきた。
強引なくせに煮え切らない丸山くんにだんだん腹が立ってくる。
私は体を起こして丸山くんの両頬を掴み
ちゃんと顔をこちらに向けてからキッと睨み付けた。
「自分勝手すぎ」
丸山くんは何も言わず、表情も変えずに私を見ているだけだった。
「何なの? 私を弄びたいの?」
「違う」
ここは即答。
「その気にさせて、面白がってるの?」
「それも違う」
また即答。
でもやっぱり、欲しい答えはくれない。
「だったら何なの? ハッキリしてよ」
自信を持たせてよ。
確信させてよ。
好きって言ってよ。