無口な彼が残業する理由 新装版

「神坂さん、ここ最近仕事詰めだし。気晴らしできて、いいんじゃない?」

「あ……うん」

チクリ。

なぜか胸に痛みが走る。

「営業って、俺はやったことないけど、きっとすごく神経使うんだと思うし」

それは、確かにそうだ。

緊張するし、気を張っていないといけない。

「でも、本当にいいの?」

「いいよ。せっかくだったら、青木も誘ったら?」

……え?

誘ったらって?

「変なことしたら許さないけど、一人で歩かれるより安心」

これは……どうなんだろう。

どう捉えたらいいの?

器の大きい男だなって感心すればいい?

それとも少しくらい心配しろって怒ればいい?

「わ、わかった」

< 262 / 382 >

この作品をシェア

pagetop