無口な彼が残業する理由 新装版
「神坂さん、ここ最近仕事詰めだし。気晴らしできて、いいんじゃない?」
「あ……うん」
チクリ。
なぜか胸に痛みが走る。
「営業って、俺はやったことないけど、きっとすごく神経使うんだと思うし」
それは、確かにそうだ。
緊張するし、気を張っていないといけない。
「でも、本当にいいの?」
「いいよ。せっかくだったら、青木も誘ったら?」
……え?
誘ったらって?
「変なことしたら許さないけど、一人で歩かれるより安心」
これは……どうなんだろう。
どう捉えたらいいの?
器の大きい男だなって感心すればいい?
それとも少しくらい心配しろって怒ればいい?
「わ、わかった」