無口な彼が残業する理由 新装版

思いの外あっさりOKされて、唖然とする私。

丸山くんはこう見えてわがままで自分勝手だから、

「何考えてんの。用事が終わったらさっさと帰ってきてよ」

と言う可能性の方が高いと思っていた。

小さく胸が痛み続ける。

もしかして私、そう言われることを期待してた?

きっとそうなんだ。

観光なんかより俺と過ごそうって、そう言われることを望んでいたんだ。

愛華ちゃんの元へ戻っていく丸山くんの後ろ姿を見て、

また少し胸が痛む。

私はきっと、そう言われることで安心したかったんだ。

バカだな、私。

自爆したようなものじゃない。

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