無口な彼が残業する理由 新装版

そんなこと、私の方が知りたいですよ。

と言う代わりにため息をつくと、

菊池さんは慰めるように私の肩をポンと掴む。

「神坂が気にしてることは、何となくわかるよ」

「気にしてることって……」

「うちの沼田」

うう……鋭い。

だけど、

「別に、気にしてませんよ」

強がってしまうのは彼女としてのプライドだ。

可愛い後輩に彼氏を貸してあげてるのよ、くらいの器の大きさを見せてやりたい。

見栄を張りすぎか?

「嘘ばっかり」

バレてるし。

「あたしでも目につく甘え様だからね。神坂はもっと気になってるはずでしょ」

おっしゃる通り。



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