無口な彼が残業する理由 新装版

疲れとか癒しとか、

今まで私の中を支配していた自分のコンディションが一気に吹き飛んだ。

燃え上がるように沸き上がったのは嫉妬と、

意地を張りたいというマイナスな感情。

遠くにいるというやるせない事実。

私が仕事でこんなにもクタクタになっているのに

あなたは楽しく飲み会で可愛い子をたぶらかしてるのね。

なんて、余裕のない女にありがちな

悪い想像を現実だと思い込む悪い癖が

私にも勃発した。

「そうだね。京都、楽しんでくる」

声色が変わったことに、丸山くんは気付いているだろうか。

言葉にならない心の叫び声が聞こえているだろうか。

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