無口な彼が残業する理由 新装版
「おはよーっ!」
元気に挨拶しただけなのに、青木は思いっきり嫌な顔をした。
「うるせーよ」
スーツ姿しか見たことがなかったけど、
薄手のパーカーとジーンズ姿の青木は
印象がほとんど変わらない。
「神坂、お前元気だな」
「だって京都だよ! 修学旅行以来だよ!」
中学生ぶりの京都へ、これから向かう。
思いっきり楽しむんだって決めたんだから。
「さ、早く行こう!」
フットワークの重い青木を引きずる勢いで
私は空元気を発揮した。