無口な彼が残業する理由 新装版

こんな気持ちで生活するくらいなら、

青木と笑い合っている方がよっぽど楽しいに決まってる。

丸山くんだって、私なんかよりずっと可愛い愛華ちゃんと

堂々とデートできるようになるんだし。

私に気を使わなくて済むんだし。

「本気か?」

「本気だよ」

ああ、やっぱり私には恋愛なんて向いてなかったんだ。

社内恋愛なら、毎日顔を合わせるから、

もう少しうまくやれると思ったのに。

真逆だったな。甘かった。

私史上、最低の恋愛だった。

「本当だな? それでいいんだな?」

私は大きく一度だけ頷いた。

「私もう、堪えられそうにないの……」

< 311 / 382 >

この作品をシェア

pagetop