【完】君しかいらない
少し時間が早いけど…帰るか。



まだもう少しいてよ、という母親の頼みを振りきって、俺はカバンを持って家を出た。



…俺はもう、この家の家族じゃないしな。



血は繋がってはいるけど、俺の家はもう別のところにある。



俺がこの家に来ることも…



もう、ないかもしれない。



そんなことを思いながら、俺は駅で切符を手にしていた。




< 1,083 / 1,444 >

この作品をシェア

pagetop