【完】君しかいらない
困ったな……。


振り払っても、ムリっぽいな。


ま、こーいうときは利用させてもらうか。


周りの音が激しいのもあるけど、俺は女の耳もとに唇がつくかつかないかぐらいの距離まで近づくと、


「ね……俺のヒミツ……知りたい?」


って、言ってみる。






酒が入ってんのか、女は足をバタつかせてやたら興奮してる。


「きゃ~、ヤダぁ!ヒミツってなに?」


「あとでたっぷり教えてやるから。

その前に、このクラブの常連客に詳しいヤツがいたら、紹介してほしーな」


「そんなでいーの?ジェイさんなら、あたしも知ってるよ」


「今日は、来てる?」


「いつも来るのは、明け方かなぁー……」


……まだまだじゃん。


それまで一緒にいるとなると、なんだかこの女のペースにハマりそうだし、


ここは、ハマチに任せよう!






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