【完】君しかいらない
「ありがと。家に帰って見てみる」


「何だったら修理にだす?ウチ、母親がデパートの時計売り場で働いてるから」


「え…そうなの?」


「おー。帰って来たら、頼んどくわ」


どうしようかな…。渡しちゃっていいのかな。


と思いつつ、頼めばすぐに直るかもっていう方に期待してしまった。





「じゃあ、お願いしていい…?」


「いいよ」


安元くんに時計を渡し、あたしは家に帰った。






動いてなくても大切なモノだし、自分で修理に持って行った方が良かったのかな。


なんだか自分の一部を、安元くんの家に置き忘れてきた気分だよ。






< 276 / 1,444 >

この作品をシェア

pagetop