【完】君しかいらない
「何かって?」


「…言わないかぁ。陽斗だもんね」


春奈は何だか独り言のように、そう呟いてる。


二人のこと、色々聞きたいなぁ。


だけど知り合ったばっかだし、ダメだよねぇ。


次に何て言っていいかわからなくって黙ってると、春奈がフフッと笑って紙袋を抱きしめる。


「これねー、女避けにしてたの」


「えっ?」


「陽斗の部屋に置いといてー、他の女が部屋に行っても、あたしの存在アピール!みたいな」


「…へぇ。あっ、そうだよね。安元くんの部屋でそれ見たとき、何でクマのぬいぐるみ!?って思ったもん」


「え!愛梨、陽斗の部屋に入ったの!?」


うわ、自滅…あたし、何ペラペラしゃっべってんだか…。



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