【完】君しかいらない
闇の中からこんにちは
安元くんと春奈のことですっかり忘れてたけど…


あたし、今から肝試しやるんだっけ。


懐中電灯がないと人の顔の見分けがつかないくらい、辺りはだんだん暗くなってきた。


「愛梨ちゃ~ん。だいじょーぶ?怖くなったらいつでも俺を呼べよ?」


奏太くんがあたしにそう言ってくれるけど、呼ぶって、無理だし。


とりあえずあたしは黒田くんと頑張ろう…。


ちょっと頼りないけど…一緒に行ってくれるんなら、この際、文句はいいません。






「10番から15番、こっち来て~」


わ。呼ばれた…。


一組2分空けてスタートするから、前後はほとんど出会うことないと思われる。


…11番のペアが、闇の中へと消えていく。



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