【完】君しかいらない
初めまして、兄です





…ガタン。


ドサッ!!







大きな音が聞こえ、あたしはハッと目を覚ました。


それは目の前に座っていた外人さんが、棚の上に置いていたバッグを、豪快に椅子の上に落とした音だった。


「…るせー…」


隣を見ると、安元くんがものすごく不機嫌そうな顔をして、手で目をこすってる。


外人さんはそんなことはお構いなしで、陽気に歌なんて歌い始めてる。


朝から元気だぁ~…。


あたしはうんざり顔の安元くんをチラッと見て、話しかけた。


「もうすぐ着くかな…今、何時だろーね」


「あと少しだな。外ももう明るいし…。お前さ、ずっと俺によっかかって寝てたんだけど…」





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