甘恋集め
竜の震えが私に伝わって。
気持ち全てがぎゅっと溢れてくる。
記憶の中を次々と流れるのは、父さんと母さんの悲しい顔。
その隣には警察官らしき制服姿の人。積み上げられたダンボール箱がたくさん。
父さんと母さん念願の新居への引っ越しの為に毎日忙しくしていて。
『父さんと母さんは、向こうの家の掃除がしたいから泊まってくるね』
ある晩、そう言って家を出ていった。
私と弟の楓はお留守番。自分の荷物の整理をしていた。
新しい家への引っ越しに気持ちは高揚して、与えられたダンボールに荷物を次々と詰めていくのも楽しくて仕方なかった。
そんな夜中、楓はお腹がすいたといって近所のコンビニに出かけて行った。
すぐに帰るだろうと、特に何も気にせず作業を続けていると、突然背後に人の気配を感じた。
『楓?私のお弁当も買ってきてくれた?』
そう呟きながら振り返ると。