甘恋集め
「や、やだっ。来ないでーーーー」
「梅、大丈夫だ、俺がいるから、もう大丈夫なんだ、落ち着け」
「や、や、やだ。誰?だれなの?きゃーーーーーーーっ」
すっと伸びてきた見知らぬ男の手が私を押し倒す。
馬乗りになって私の頬をたたく。着ていたシャツの隙間から手を入れて素肌を撫でまわす。
「や、気持ち悪い、離してよ、痛い、ぶたないで、いやーー」
まるで今そこにいるかのように恐怖がよみがえる。
必死で逃げようとしても無理で、男の手が私の体中に触れるのを阻止できない。
それでもどうにか男の急所を膝で蹴り上げて、転がるように男の体から逃げ出した。
怖い怖い。早く逃げなきゃ早く。捕まる前に逃げなきゃ。
竜、竜、助けてよ。お願い来てよ。竜にしか見せてないこの体、絶対に守らなきゃ。
這いずりながら部屋から飛び出して、追ってくる男の手から逃れようと体をそらした時。
すっと体が浮いて。
どどどどど……。
体中に痛みを感じて視界はぐるぐる回った。
その途中で、階段から転げ落ちてるんだと気づいて、それでもどうしようもなかった。
階段下の玄関に落ちた時、頭も体も痛くて、肩が燃えるように熱かった。
そして、意識が途切れる瞬間に見えたのは、コンビニの袋を下げて驚いている楓の顔。
……竜、私……。
私は、他の人に触れられた体を隠すように小さく体を丸めると。
そのまま意識を失った。