コイン★悪い男の純情
22話 復縁
 「あんた、そこでええやろ」

 かんなが玄関先で話をと思っていたのに、前崎はズカズカとリビングまで入って行った。

 (まあ、仕方ないか)

 かんなは、リビングに入る前崎の後姿を見ながら溜息を付いた。


 「すぐに帰ってや。あっ、そこに座って」
 「わかってる、と言うたやろ」

 
 前崎は、食卓テーブルに腰を下ろした。
 かんなは、向かい側に腰を掛けた。

 「写真を見るだけやで。見たら帰ってや」
 「わかってるやんけ」

 「そんなら、見せて」
 「よし、見せたるわ」


 前崎は、ロビーで撮った他の写真をかんなに見せた。


 「淳也さんみたいやし、そうやないみたいや。ようわからんわ」

 「相手の女は、凄い美人やで。お前より年もずっと若いしな」
 「そうみたいやな」


 かんなは、食い入るようにして液晶の画面を見ている。

 
 「次の写真を見たら、あの男の顔も、超美人の女の顔も、はっきりわかるわ」


 前崎はホテルのフロントから、こちらに振り返った二人の写真を、かんなににたにた笑いながら見せた。







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