コイン★悪い男の純情
25話 サッカーボール
 淳也は、かんなとの約束どおりマンションを引き払った。
 暫く、実家の近くのビジネスホテルに、淳也は寝泊りをしていた。

 それを知ったかんなが、自分の家で暮らすようにしきりに勧めた。
 それで、淳也はかんなの言葉に甘える事にした。


 淳也が旅行用のカバンを一つ持って、夕方かんなの家へ。
 淳也は大きな深呼吸をしてから、チャイムを押した。



 ピンポ~ン。



 「は~い、今開けます」
 「・・・」

 「あら、淳也さん、待っていたのよ。あれっ、荷物は、それひとつだけ」

 「古い生活は、綺麗さっぱり捨て去って来ました。このカバンだけです。約束ですから」

 「まあ、淳也さんらしいわ」
 「今日からお世話になります」

 「こちらこそ。勇太、淳也さんよ」

 「あっ、おっちゃん、こんばんは」
 「勇太君、今晩は」

 
 淳也が勇太に微笑みかけた。。



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