コイン★悪い男の純情
 「そんなもんいらんわい」

 
 勇太が強がりを言った。


 「ほらっ」


 勇太に向って、前崎がサッカーボールを投げた。


 
 「あっ!」


 
 サッカーボールは、勇太の胸に当たった。




 ころころころ。




 ボールは道路に転がって行った。


 勇太は、ボールを追っかけて歩道から車道に走り出した。





 「勇太、止まれ、止まらんかい。危ない!あああっ!!!!!」





 「あっ、お父ちゃ・・・・・・」



 対向車線の軽トラックが、勇太をひいて走り去ってしまった。






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