コイン★悪い男の純情
 「お袋、出来たで」
 「待ち くた びれ たわ」

 「涙ラーメン1丁上がり」

 ズルズルズルッ。ズルズルズ~~。

 「こん な おい しい ラー メン 生ま れて 初 めて や~。また、作っ てえ なあ」

 たえは猛烈な食欲でラーメンをすすっている。

 糞尿だらけで、わあんわあん泣いていたので、余程たえはお腹がすいたのだろう。

 ラーメンを無心に食べているたえを見て、淳也は大阪で仕事をする事を決断して、正解だったと確信した。

 「大事に至らなくて良かった」
 
 「本当に良かった」

 
 淳也は胸を撫で下ろした。

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