コイン★悪い男の純情
 「お前ら、いつからや」
 「ずっと、前からよ」

 「もう、出来てるんか」
 「それやったら、何が悪いの。あんたには関係無いやろ」

 「この野郎、俺の女に手を付けやがって」
 「もう、あんたの女じゃ無いわ」


 「うるせえ」


 前崎は淳也の胸倉を鷲掴みにした。

 「止めて下さい」

 淳也は腕に自信があったが、前崎と戦う気は無かった。万一、怪我でもさして、警察沙汰になる事を恐れたからだ。

 「ふざけやがって」

 前崎は淳也の胸倉を、さらにきつく締めた。

 「止めて下さい」
 「この野郎、俺の女に手を出しやがって」

 そう言うと、前崎は淳也の顔面を拳で思い切り殴り付けた。


 ガツン。


 強烈な一撃。

 淳也は思わずよろけた。

 情容赦なく、もう、一撃が。



 ガツ~ン。



 淳也の唇の辺りが切れて、血が流れた。






 ガッツ~ン。





 次の、強烈過ぎる一撃で、淳也は崩れ落ちた。

 
< 48 / 162 >

この作品をシェア

pagetop