コイン★悪い男の純情
 かんなは
「かんなさんの家族になれたらいいな」
と、言う言葉の真意を確認するのは、今しかないと思った。


 「淳也さんひとつ聞いてもいい」
 「どうぞ」


 「先日、淳也さんは、かんなさんの家族になれたらいいなと、言ったわね」


 「ええ、言いましたけど」

 「あれは、どういう意味なの」
 「どういう意味って」

 「願望なの?それとも現実なの?」

 淳也はかんなの顔を覗き込んだ。

 「もちろん、現実です」

 「願望じゃ、ないのね」
 「ええ、現実です」

 「と、言う事は、あれをプロポーズと受け取ってもいいの?」

 「そう、受け取って下さい」

 「本当に、受け取っていいの?」
 「本当に、本当です。わかりにくいなら、はっきりと言います」


 「・・・」


 「かんなさん、僕と結婚して下さい。勇太君のパパにならせて下さい」

 
 「淳也さん・・・うううっ・・・」


 かんなは涙を流した。
 嬉しくて嬉しくて涙が止まらなかった。


 「本当に、こんな子持ちでいいの」
 「子持ちでいいです」

 「淳也さん、初婚なんでしょう。後で、後悔しない?」
 「後悔なんか、絶対にしません」


 「淳也さ~ん。ううううううううっ」


 かんなは人目も気にせず、わあわあ泣きながら淳也の胸に飛び込んだ。


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