コイン★悪い男の純情
17話 嫉妬
 パソコンの前に座りながら純一は、UMJでの楽しいひと時を思い出していた。

 (勇太君は迷子になったが、見つかって本当に良かった。ジェットコースターに勇太君を乗せてやれなかったのが、少し心残りだ)


(かんなさんは僕がプロポーズをすると、泣きじゃくっていたな。あの涙の為にも、これで仕事は最後にしよう)



 純一はそう決意すると、DUCK LISTに目をやった。
 Duck listには、現在、2羽のダックが残っていた。


 1羽は松原恵
 年齢 38歳
 身長 158cm位
 体重 52キロ位

 職業 ホステス(南のキャバレー 花の国)
 携帯電話 090 ・・・・ ・・・・



 もう1羽は矢本薫
 年齢 32歳
 身長 162cm位
 体重 50キロ位

 職業 クラブホステス(北新地クラブ LIP)
 ナンバー2ホステス
 携帯電話 090 ・・・・ ・・・・

 
 純一は2羽のダックを比べてみた。
 どちらも情報は不足している。 

 が、純一がいろんなホステスに聞き取りで調べ、身に着けている装飾品を見た限りでは、どちらも相当の金を持っている事は、確かだろう。


 罠にはめ易いのは、あきらかに38歳の松原恵である。しかし、最後の仕事と言う事を考えれば、矢本薫に食指が動いた。

 純一のプロ意識を満足させる最後の獲物は、罠にかけにくい獲物こそふさわしかった。


 純一は、薫に最後の獲物としての狙いを定めた。






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