コイン★悪い男の純情
 純一は同伴の入ってない日に、薫と喫茶店で待ち合わせをした。

 「お疲れさん、芝ちゃん。さすがやねえ」
 「無事、ナンバー1には復帰出来ましたか」

 「芝ちゃんのお陰で、無事、栄光の座に返り咲く事が出来たわ。ありがとう」

 「それは、良かったです」
 「あっ、忘れん内に約束の300万円渡しとくわ」

 薫は、300万円が入った茶封筒をテーブルに置いた。
 純一は封筒の中に目を移した。中には、100万円の束が3つ入っている。

 
「確かに」

  
 その時、ウエイトレスが、コーヒーを2つテーブルの上に置いた。
 コーヒーの香ばしい香りがプーンと漂った。



 コーヒーを飲みながら薫が口を開いた。


 「私が睨んだ通りやったなあ。いや、それ以上かもわからへん」
 「いや~、それほどでも」



 「芝ちゃんは劇薬になるやろとは思っていたけど、想像以上の効き方や。びっくりしたわ」



 「何がです」
 「リサをメロメロにしてとは頼んだけど、息の根を止めるとは思ってもみんかったわ」

 「息の根を止める?」
 「リサはアル中になり、お払い箱や。そやけど、たいしたもんやなあ~」

 「辞めたんですか」
 「あっ、芝ちゃんに言ってなかったかなあ。リサは首やで。ええ気味やわあ」


 薫がにんまりと微笑んだ。



 
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