摩天楼Devil
実はパパに内緒で、叔父さんに買ってもらった(一応、彼の所有物)Wiiがある。


「それで、時間つーぶそ。ママが帰ってきたら、絶対、勉強勉強ってうるさいもん」


叔父夫婦に許可も得ず、昼までWiiで暇潰し、ご飯をご馳走になる、と予定を決めた。


あ、でも。叔父さんは寝てるな。確実に……

叔母さんは夜お店に出た日でも、洗濯は太陽のあるうちにしたい人だから、昼に寝てる。


ご飯をくれるとしたら、朝食か居酒屋の余りか……

十分、おいしいもんね。


迷惑で、おバカな姪は、叔父夫婦の家を目指し、ウキウキしながら歩いた。


――そういや、この辺りで、お兄さんに……


居酒屋の手前で止まり、以前二人が出てきた階段を見つめた。


『待ってくれ。兄さん!』


『いつまでも逃げてられると思うな。これは、決定事項だ。父さんは甘いよ。最後に、こんなワガママ許すなんてな』


――あれ、なんだったんだろう?


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