摩天楼Devil
「文句言うな。おいしい煮物もらったんだから、ちゃんと返さないと」


「ママが持っていけば」


「用事があるのっ。忙しいんだから、協力しなさい!」


彼女の機嫌が悪くなる。


爆発する前に、と渋々お使いを引き受けた。

出る前に、「あ、お駄賃」と、500円貰った。


――ドレス代にまわせば、ちょっとは足しに……


でも、その分パシリ期間が減っちゃう。


「な、何考えてんの?減らすためにパシリのバイトしてるんじゃん!」


だめだ。今日もおかしい。


ま、篤志さんは用事があるみたいだから、今日はいないだろうし、会わないでしょ。


500円玉は、財布に入れ、返済記録張には記入しなかった。


叔母さんの料理は確かにおいしい。


料理人の叔父さんに負けてない。


お昼までいて、お昼ご飯までお世話になろうかなぁ?


< 145 / 316 >

この作品をシェア

pagetop