摩天楼Devil
「い、いいです……私、大丈夫だから、放してください!」


「……」


彼は無言のまま、手を放してくれる様子はない。


「……今日は、俺に対して怒ってんのか?」


横断歩道で止まっても、手は繋いだままだった。


「放してください……」


「妃奈、答えろ。俺がそんなに嫌か?」


さっき、自分の気持ちに気付いたばかりなのに、そんな質問されても――


「も、もうちょっと……優しくしてくれても……いいんじゃないですか?

た、確かに、レイさんみたいに、優しくしがいのないガキかもしんないですけど」


「ずいぶん、彼女を気にするな。グラマーな女がいいってもんじゃない。
1000人いて、1000人それじゃあつまらない。400人は、違うのがいていいんだ」


「それ、フォローのつもりですか!?」


「すまんな。こういう性格なんだ」


ぶぅ、とわざと口を尖らせ、眉間に皺を寄せてみた。


篤志さんは、皺を突っつく。

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