摩天楼Devil
「ブス」と、ひどいことを口にした。


さすがに、文句を言おうかとしたら、
「笑ってる方が可愛い」と言った。


彼こそ、笑顔だった。


――篤志さんのバカ。

そんな言動されたら、怒れないじゃん。


嫌なわけないじゃん……


「妃奈。明日、よろしくな」


「ああ、はい」


掃除か。

学校も、自分の部屋もいい加減にしてる。


だって、嫌いだもん。

でも、篤志さんとなら――


私は帰宅後、密かに自分の部屋で飛びはねた。


「あ、そうだ」


私は携帯で、“彼女”に報告をした。


一番に、私の気持ちに気付いた子。


「なんかね。意外と、落ち着いてる。ヤキモチ焼いた時は、辛かったけど」


『ふーん。変な家だよね。弟の元カノを、兄がフィアンセにして、当然両親公認なんだよね』


真悠子は、私の恋より先に、私自身も不思議がったことに興味を持った。


「変だよね。いくら、過去って言ってもさ……」


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