摩天楼Devil
私が不思議がっているのを見抜いたようで、

「ああ、父から言われているんですよ。彼の状態を確認と、報告をすることを……監視みたいなものか。父との誓約から逃げないように」


「せ、誓約……?」


何それ。親子間で、なんでそんな言葉が出てくるの?


――監視? 誓約?って


「知りたいですか?アイツと、藤堂家のこと」


「いえ、人の家のことなんて……」


「篤志はこれからどうなるんだろうね?」


そのセリフは聞き流せなかった。


「え?」


「乗って、お話しましょう」


彼は助手席のドアを開けた。


変わらない、好きな人に似た、笑顔。


緊張感も迷いもなく、一礼してから乗った。

知りたかった。篤志さんのこと。


車は発進して、すぐに声をかけたけど、藤堂遼さんは無言で前を向いてた。


運転に集中したいんだと思った。


遼さんは仕事場のあるビルに行く、と言った。


30分ほどで、ある建物の前で降りた。


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