摩天楼Devil
携帯は切られ、「はい」と満面の笑みで返された。


「ちょ、ちょっと篤志さん!!」


「ミヤちゃんの家で勉強してて、彼女のお姉さんが家庭教師してくれることになって、ついでに泊まるよう誘われた、っていう流れだ」


「あ、あのね、篤志さん!そんな急に――」


車内だというのに、彼は長い足を組み、窓枠に肘を置き、頬杖をつく。


「急?どこが? 俺と来るか、と訊いて、来る と答えたろ? それを、どうせこれから帰るつもりだった、だと?」


不機嫌そうに、彼は眉間に皺を寄せる。


「だ、だって。門限が――」


「それなら、解決だ。君のアリバイはできた。さ、おうちに連絡しなきゃ」


ここで、篤志さんは妖艶に目を細めた。


「今夜は泊まる、ってな」


――うわっ


その姿に、心臓が激しく動く。


「お食事はいかがされます?」

と、正反対にやたら冷静な木島さん。


篤志さんは、「ああ、さっき話してた――」
と、高級レストランを指名しようとしたので、


私は止めた。


「わ、私、違うとこがいい!」


訊いてきたのは、木島さんだった。


「と言いわれますと?」


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