摩天楼Devil
「何のことぉ?私は学生時代、ちゃんと勉強してたわ」


「違う。頭から、爪先までペッタンコ」


素直に考えを言っただけ。


だけど、ママの目が鋭くなる。


「あんたね!ペッタンコって何? 親に言うこと!? 凹凸がないって言いたいの!?」


もしかして、ママもコンプレックスだったんだろうか……


「ち、違うよ。もう少し、その……ボンとして、キュとして、ボンみたいなぁ、そんな身体だったら、私も受け継いで、ナイスバディになれたかなぁ、って……」


まったく、フォローにはならず、怒鳴られそうになったので、


「い、行ってきまーす!」


と、カバンを掴み、リビングを飛び出した。


小走りで、外まで出ると、本音を口にした。


「ペッタンコって、バカにされずにすんだかも……」

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