これが恋だとするならば・・・
「・・・・・ゴメン。」

「ハ?」


「智里、疲れた顔してたのに・・・。


俺余計疲れさせた。」





この人、

私、

苦手だ。




こんなに
掴めない
雲のような男を
始めて見た。




いつも無表情かと思えば、



笑ったり、

怒ったり、



ワケが分からない。




私をカラカってるんだろうけど、

ちらちらと優しさを覗かせる。




声はいつだって脱力した声で、
なのに私の耳にはよく届く。



明確ではないけれど、
変わらない顔と声だけで、
彼の色が変わっていくのがわかってくる。




不思議と・・・。




大抵の彼は穏やかで、

時々怖いほど鋭く光って、

希少価値、

すごく甘えてくる笑顔。



忘れられなくなる。



どんなに音楽を聴いたって、
もう無理だった。




この嵐が


ウザクて


苦手で


たまに気になる。



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