これが恋だとするならば・・・
ガチャリと再びドアが開いた。


「・・・・えぇ??


何、コレ!?


智里ッ!!」




さっきとは



見違えたように




荒れている視聴覚室と



思いっきり泣いた目をした顔色の悪い私。






そりゃあ
クールなミキちゃんだって
慌てないはずがないわ。



血の匂いは
私が敏感に嗅ぎ取っているだけで
それほど酷くはなかった。


でも匂いがするってことは
どこかに血痕があるのかもしれない。




「ミキちゃん。窓開けて。」



吐き気がする。

めまいがする。




オドオドと心配そうな目をした

ミキちゃんが
私に言われるがままに


黒いカーテンと
窓を開けた。



急に眩いばかりの
光がさしこんできたので
私は目を細める。





「智里、どうしたのよ!!?」




ミキちゃんの問いかけに
私は初めて首を振った。





「ごめんけど、



それはいえない。




あと私ね。


ココの椅子とか片付けたら、
教室に寄らないで帰るから。



先生には


気分悪くて
帰りましたっていっといて。


理科の先生は

私が気分悪かったのシッテルから

多分弁解してくれると思う・・・多分ね・・・・。



まぁサボリなんて


いつものことだし?」





血を見たんだから


やっぱり
いつものように


キモチワルイんだけど



でも


いつもよりは

妙にしっかりした口調だった。



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