cocoa 上
「…こう」


「海斗、お前に話しがある。」


 私が話を切り出そうとした時、
 こうちゃんが中川先輩に言った。
 その時のこうちゃんは真剣な表情だった。


「急にどうしたの?こうちゃん」


「優愛には関係ねーよ」


 笑う私に、こうちゃんは冷たくそう言った。
 私は急に悲しくなってその場から走って、
 こうちゃんの横を通り過ぎた。


「こうちゃんの…ばか!」


「…。」


 この後、まさかまた波乱が起きるなんて
 思ってもみなかった。


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