Go to the...

     *

キミは帰って来てすぐに
ボクに話しかけた・・・。

「ねぇ今日は調子がいいんでしょう?」
「・・・うん。」
眠りから覚めてからはすっごく
調子がいい。

「外に出られない?」
「いいよ・・・。」


ボクはキミを知らない。

机の上には2通の手紙。

キミから・・・と

ボクが書いた手紙・・・。



永い眠りの前・・・



もっと前かも・・・。

「外、寒いね。大丈夫?」

やたらと気を配るキミ。

「うん。大丈夫。」


何でだろ?
すっごくどきどきする。

脈が早くて、自分の体の中の血が熱くて
心が苦しくて・・・

愛しくて・・・。



愛しくて・・・?


さっきの手紙は・・・。


そうか・・・。

ボクはキミが好きで・・・。


  キミへの気持ちは抑えられなくて。
 ・・・開けてはいけない扉。


鍵はキミ。扉が大きく音を立てて開き始め
痛みが全身を駆けめぐって、
頭をたたきつける。

でも、キミとの思い出が流れ込んで
ボクの心を満たす。



全身がキミを捜していた。

でも、同時にさよならが近づいていて。


 涙が止まらなくて


   切なかった・・・。


ありがとうが溢れて、涙を隠すように
   
    雪が降り始めた・・・。





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