Purewhite Devil
昼休みに第二音楽室とかかれた部屋の前に立つと、未だに有り得ないほど緊張する。


そしてノックをする前に必ずする事がある。


深呼吸だ。


一通りの手順を済ませ、私はソッと扉を開けた。


中には今からお昼ご飯を食べようとしている泉堂君の姿があった。



「今日は売店のパン？」

「あぁ」



何度も足を運ぶようになって変わった事がある。


泉堂君が私の言葉に短い言葉ながら返事をしてくれる様になった事。


目っで訴えかけられる事は無くなった。



「それ幻のカツサンド！！」

『――幻？』

「えぇ！？知らないで買ったの！？これ数も少なくて美味しいからすぐ売り切れちゃうんだよ！！」



私の恥ずかしい程の力説も虚しく、泉堂君は『あっそう』とでも言いたげな感じだった。



「でもよく買えたね。私なんて四限目終わってダッシュで行っても買えた事ないよ。足が遅いからかもしれないけど」

『四限目サボったから』



なるほど。


その手があった。


私も今度カツサンドの為にサボるかなぁー。






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