Purewhite Devil

お供え物

『ノアは天使なのか?』

「違います――」



どこまで答えていいのか分からない。


でも、ラグエルさんやガブリエル、悪魔の名前は出さない方がいい様な気がする。



『天使じゃないなら一体何者なんだ』

「人間です」

『人間?どうやって翼を手に入れ天界まで来たんだ?』

「――言えません」



私に翼を与えたのはラグエルさんだ。


その事を知ってるのは私たち二人と恐らく神様だけだろう。


もしかしたらミカエルさんは勘づいてるかもしれない。


もしそうだとしたら、ラファエル様も知ってるんじゃないだろうか。



『どうしてあんなに傷だらけだったんだ?』

「自分自身と友達を守りたかったんです。私はこうして助かったけど、その友達は今どうしているのか分かりません。今の私には確かめようがないんです」



無邪気な笑顔、ゾクッとする程冷たい顔――色んなヴォラク君の姿を見てきた。


いつだって私には優しくしてくれた。


守ってくれた。


ルシファーの命令とはいえ、私はそんなヴォラク君に感謝してる。







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