Purewhite Devil
ヴォラク君がどうか無事でありますように――。


何度そう願ったか分からない。



『ここに来た目的は?』

「言えません」

『悪魔と契約を交わしてまで得たいものがあるのか?ノアは強欲なタイプには見えないんだがな――』



そんな事ない。


どうしようもないくらい薫君を求めてる。



「大切な人がいるんです。私が彼を好きになったばっかりに、悪魔は彼に近付き彼はその悪魔と契約を交わしてしまいました」



ラファエル様は眉間にシワを寄せた。


元々逞しい顔付きをしているからか、ラファエル様がどういう人なのか知らなければ怖そうな人だなと思うかもしれない。



『ノアが好きになったからといって、何故悪魔がその彼と契約を交わす必要があったんだ?』

「悪魔が欲しいものを私が持っているからです」

『何を持っているんだ?』

「言えません」



今にも私の体に穴を空けてしまいそうな程、ラファエル様の熱い視線はずっと私に向けられている。


相手に安心感を与える様な雰囲気に、油断するとベラベラと話してしまいそうだった。







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