Purewhite Devil
【第四章】

ガブリエル

ーーーー。


眩しーーっ。


目を開けると、真っ白な空間が広がっていた。


なんでこんな所に寝そべってるんだろう。


ボーッとする頭のままゆっくり体を起こした。


見上げた先には見覚えのあるベール。


あれ?


ここッッ!!


慌てて階段を駆け上り、私は乱暴にベールを捲り中を見た。



「いないーーなん、で?」



ベッドに横たわっていたガブリエルの姿がなくなっている。


それどころかベッドすらなくなっていた。


それに私ーー溺れてそのまま意識をなくしたはずーー。


確かめるように体を触ってみるが、髪も洋服も肌もどこも濡れてない。



「何がどうなってんのーー!?」



困惑するきもちのまま階段を下りた。


最後の階段を下りる時にもう一つ違う事に気が付いた。



「ーーお供え物の花もなくなってる」



ここ、水の神殿だよね?


見渡す限り白で統一されていて、至るところから水の流れる音が聞こえてくる。


とりあえずここを出よう。


こんな何にもないところにいてもしょうがない。


今いる部屋を出ようとした時、何処かからか声が聞こえた。


その瞬間反射的に私の体は強張った。


ミカエルさんたちだったらどうしようーー。


大丈夫ーー大丈夫だよね。


私は足音を立てない様に、慎重に部屋を出た。








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