Purewhite Devil
二人の姿が涙で滲んでいる。


その滲みが歪みに変わり、場面が変わる合図がまた訪れた。


次に目の前に広がったのは、灰色の石のブロックで固められた殺風景な場所だった。


ベッドも椅子もない部屋。


鉄格子が取り付けられている。


部屋の隅っこに座り込んでいるガブリエル。


覇気のない瞳。


生気のない顔。


煌びやかで華やかな美しさを持っていたガブリエル。


それが今では散ってしまいそうな程儚い美しさになっていた。


足音が聞こえる。


だんだんと近付いてくる。


私は鉄格子の方へと顔を向けた。



『ガブリエル』



姿を現したのはラグエルさんだった。


私の知っているラグエルさんと何一つ変わらない。



『ミカエル、ウリエル、ラファエルの三名が貴女との面会を希望しております。如何なさいますか?』

「帰ってもらってちょうだい」

『本当に宜しいのですか?』

「ーーーー」



ガブリエルは答えない。


ラグエルさんと目も合わせようとしない。


全てがどうでもよくなったとでも言いたげな雰囲気だ。





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