Purewhite Devil
「ルシフェルッッッ!!!!!」



隣に居たはずのガブリエルはいつの間にかさっきまで二人が争っていた場所に居た。



『駄目だッッ!!』

「離してッッ!!」



大声を上げ、ルシフェルの手を掴もうとするが、ミカエルさんがガブリエルの手を掴み制止した。


天使なのに飛ぶ事も出来なくなったルシフェルはガブリエルに向かって優しく微笑むと、力なく崖の下へと落ちていった。



「離してッッ!!お願いだからッッ!!離してよッッッ!!!!!」

『君まで地獄に落ちるつもりかッッッ!!!!!』

「地獄だろうと何処だろうとルシフェルが居てくれるならそれでいいッッ!!あの人が居ない天界なんて私にとっては地獄同然よッッ!!」



ガブリエルーー。


涙が止まらなかった。


一緒に地獄に落ちてもいいと思える程、ルシフェルの事を愛してたんだ。


ルシフェルの居ない天界に未練がないから私に協力してくれるの?



『僕には君が必要なんだッッ』



ミカエルさんはボロボロの体でガブリエルを無理矢理抱きしめた。



『君まで失いたくないんだよッッ!!』



ミカエルさんは涙を零しながらガブリエルに訴えた。


ガブリエルは抱きしめられるがまま身を委ね、ルシフェルの居た場所を力なく見つめていた。





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