モノクロ*メランコリック


「……………」


…ふたりの間に、沈黙が落ちる。

しばらくしてシロは瞳だけ上へ動かして、私を見つめた。



「……嫌だって、言ったら?」



まるで、試すような目。

まっすぐで、それでいて私の反応を伺うような。


私はその目を、ただひたすらに見つめ返すことしかできなかった。


……それがただ単に、『嫌』なだけなら、こんなに混乱はしなかった。

それが、どうして『嫌』なのか。


そのいちばんの理由に、私が素を出して話せるようになった竜崎くんが、…男子であること。


……気づかない、私じゃない。



「…………」


…意味を理解するにつれて、段々と顔が熱くなっていく。

それに合わせて、シロの瞳も見開かれていく。


……なに、それ。

なんで、嫌なの。

それって、それって。


そういうことじゃ、ないの?




< 184 / 361 >

この作品をシェア

pagetop