モノクロ*メランコリック


カラオケに着くと、受付前で澤野くん達を待つ。

私以外の三人は、念入りに身なりやメイクを整えたりしている。

私?私は別に誰のことも狙っていないから、必要ないわ。


私と話したいらしいナルシスト澤野くんの印象は、もう既に最悪だし。

適当に話して、やり過ごそうと思う。

彼女達が無事、彼氏をゲットできるようにするのが目的なんだし。


少ししてから、澤野くん達がやってきた。

花凛ちゃんが椅子から立ち上がって、男子達に声をかける。


私も挨拶くらいはしようと思い、席を立った、そのとき。


まるで身体に稲妻が走ったような衝撃を受けた。


……え?

え?え?

混乱する私の視線の先、三人の男子達の後ろで、隠れるようにして立っているひと。

彼は私と目が合うと、超がつくほど気まずそうな顔をして、目をそらした。


……な、な、な。


なんっでシロがここにいるのよーー!!


信じられない気持ちで、シロを見つめる。

彼は、意地でも私と目を合わせようとしない。



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