Sweet moment.
誰かに体を揺すられ、重い瞼をゆっくり開く。
ぼやけた視界に入ってきたのは、眉間にシワが寄っているママと百合さんだった。
「あ!」
勢い良く体を起こすと、頭が揺れて気持ち悪くなり両手で口を塞ぐ。
タイミング良く百合さんが紙袋の内側にビニール袋を入れた物を私の口元に差し出す。
胃の中の物を全て吐き出した後、私は再び頭を抱えた。
頭が痛い。
気持ち悪い。
理由は一目瞭然。
お酒の力に頼ろうと、馬鹿の様にお酒を胃袋に流し込んだから。