甘くて切なくて、愛おしくて
「..でもあいつ..えっとさとう、じゃねぇや、サヤマ、でもねぇや..っと」
「佐野さん?」
「そう、それだよ、何だよ“さ”しか合ってねぇじゃねぇか」
何それ、と笑いながらも掴んだ手に力を込めた。
知られたくない、でも知ってて欲しい。
なんて我儘なんだろう、あたしの心は。
「とにかく!佐野さんとあたしは何でもないんです」
「..だから?」
「だから..」
だから、何を言いたいんだろう?あたしは..
精一杯頭の中で考えてから
「だからいつでも力にならせて下さい、頼りないけど、まだまだだけど。でも何か力になりたいんです、沢城さんの、ユウキ君の力に..」